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2005/07/09

尺八の師範

家元制を云々するつもりはないが、世に溢れる「師範」というのはどうもその名前通りでないことがあり、仕組みを再考すべきと思う。
「師範」とは文字通りその流をマスターした「師」というわけであるから尺八界のみならず一般に対してもそれを期待させるわけであるからそれなりの責任がある。
しかるに今の師範はある程度以上の年月をこなし、曲が一通りあがり、まずまず吹ければ、師範にしてしまっている節がある。師範とは正式に「教える」立場であるのだからそんな軽いはずである。
今日、尺八人口が決して増えず、世間の音楽を知っている人からも尺八がなめられてみられているのも、そんな師範があふれているからではないだろうか。
たまたま聞いた邦楽が三曲で尺八は〇〇流大師範、演奏を聞いたらスカスカであたふた・・・素人目にも(素人目だからこそ)下手であるのがわかる。「尺八の先生ってこんなもんか。その程度なのね」ということになっているのでは。
何年稽古しても師範になれない人がいてもいいのでは・・・・。技量の足りないものを師範にするよりはよほど害がない。
それでは自分の考える「師範」とはどの程度のレベルか。
1.技量
●皆伝の曲まで主要なものはすべて終えていることは当然。
●単管、一丁一面で奥伝級の曲が人に聞かせられるレベルで吹けること。
●本曲を一人で(当たり前)人に聞かせられるレベルで吹けること。
●初伝、中伝曲くらいであれば数曲は暗譜していること。
2.知識
●基礎的な楽理の知識があること。
※都山流の楽理の試験は形骸化しているところもあるが最低限そのくらいは知っていてもよいと思われる。
●尺八、邦楽の歴史の一般的な知識
自分の流の歴史もともかく、尺八の歴史、邦楽の歴史の基礎知識は持つべき。
自流のことしかしらないというのは通用しない。
琴古流であるなら、黒澤琴古がいつくらいの人でとか、琴古流の本曲はどこから持ってきた曲であるとか
童門会、竹友社、竹盟社の関係など一般的な常識は知っておいた方がよいように思う。
どこまでとは難しいがあまりに知らない人が多すぎるように思える。 
以前琴古流長年やっている人で久松風陽の名前を知らない人がいて愕然とした覚えがある。
3.人格
●これはどうこう言えないがやはり「師」としての最低限の人格は評価されるべきであろう。

都山のような試験制度がよいとは言えないが、(試験を通っているからといって上記ができているとは
とても思えない)琴古流ももう一度考え直したほうがよいように思える。
そして何より習う方も師匠が「師範の免状を」といわれても「師範の技量が備わっていませんので」と拒否するっ勇気をもってもらいたいものである。それが邦楽をよくすると思われる。

ちなみに私は竹歴はそこそこ長く独学ではなく師匠にずっとついているが師範の「免状」を持たない無免許運転である。(免状はその流、派にしか通用しないものなのでそれで取り締まられることはないが)
今の師匠は免状も出さなければ、名前も出さない、それもよいと思っている。


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コメント

わたし長年都山流をやっていたが無資格者です。でもこの歳になって(66年と10か月)まわりをみれば、ほとんど竹林軒大師範バッカですよ。そのエライ先生方は地区ごとに幹部会というのを作っていて、ダンゴになって楽しんでおられる。当然わたしはのけ者です。皆さんとてもお上手(?)です。ホンマかいな?

明暗流に入門しましたが、ここにも免許制度がある。今度は、先生が免状をやろうと言えばもらうつもり。だが、今のところ先生はなぁ~んも言わない。

わたし魚釣りが好きで四六時中魚釣りに出ますが、ここには免許制度はありません。でも面白がって、かまわりの者らはわたしのことを師匠と呼んでからかいます。
わたし、波平流釣技術ってのを標榜して、初伝・中伝などの免状を有料頒布し、エサ代の足しにしようかと思うが、だぁ~れも免状を欲しがりません。

投稿: 波平 | 2007/05/03 07:34

「師範」に対してのお考え、おおむね賛成です。
不満は、ろめい師が、長く尺八に携っておられて、指導的立場に好むと好まざるとに関わらず縁している以上、「師範」になられたら如何でしょうか・・・少なくとも3人ぐらいの後継者を育てることが、ご恩返しでは・・・と、わたしは考えています。もっとも志し高いあなたの事ですから、資格に関係なく活動されているとは思いますが。

投稿: @単管丸 | 2005/07/10 08:40

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薫習庵では、私が竹盟社師範として教えてますので、一定の技量と経験で免状を 出しています。 なかには、長い経験を持ちながらも免状を前提にしないことを納得の上で稽古を きている方もおられますが、初心から習われる方には免状の取得を薦めてます。 もちろん全員に強制することはありませんが、免状は本人の心の拠り所として、 稽古の励みになる面もありますし、私自身が師匠に対する最低限のご恩返しと して、免状は頂くことにしていたか... [続きを読む]

受信: 2005/07/11 08:17

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