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2006/02/14

「三谷」考

対山派の「三谷」を近く演奏する機会があるので少し勉強している。文章で書くことの限界はあるがある意味自分の備忘ということで書いてみる。(西園流のそれは対山派の大親のようなものだから、同じようなことが言えると思われる。)

ポイントになる旋律:「ハウーレー
これは何度もバリエーションを変えてしつこく繰り返される。
ハウーウハイレーとか途中のウを揺るとかいくつかいくつか形は変えている。
これは「三谷」が「三谷菅掻」であることを示すもので、「菅掻」の典型的なパターン六段などにある「レーツロー」の調を変えたものとしてみることができる。
もうひとつ「ツレーエ、ツ(メ)レロロー」というパターンも4回出てくる。
この2つの旋律の繰り返しをどのように性格付けていくかというのが「三谷」らしく聞かせることになると思う。
したがって、「三谷」は重く吹いてはいけない。どこかに軽みを残し、テンポのよさを感じさせる方がよいように思う。
個人的に面白いと思うのは出だしの「ツール、レー
ぼんやりした「ツ」からいきなりはじまり、しかもそれが「ツー」と長くのばし一打ちまでしてその性格を強調している。「ツレー」とするなら「レ」を導く音としての「ツ」であるがここの「ツ」はもう少し主張している。
「三谷」という字面からイメージを膨らませるならば、この「ツール」はぼんやりとした曲の導入部であり、曲の緩さを決めている。(虚空や阿字観の冒頭「ツレー」というのはいきなり決意のようなものを感じるのとは対照的である)
この冒頭「ツール」が何者であるかはその後に出てくる
ツレーエ、チー、ツール、レーレツ(メ)レハウハイ、レー
というメロディの中で確認される。これは冒頭の「ツール」のぼんやり感をさらに拡大し、「ツレーエ」とした後、「チー」と浮かし、さらに「ツール」に結びつけるという不思議な雰囲気を作る所としてとても気に入っている。
この旋律は甲乙含め4度出てくる。
高音が三度繰り返されるから「三谷」という話も聞いたことがあるが、二の高音の三の高音は基本的に同じで先の旋律でつないでいる。
高音の後の、
ハ(メ)チーチウーチ井ー・・
は自分の楽譜には一行一息でと書いてあるが少し雰囲気が変わるところである。(この旋律以外ではこの曲ではハのメリは出てこない。)
これは非常に短いが、「鉢返し」の旋律である。(奥州系の三谷ではこの部分がもう少し拡張されている)
これもある種「三谷」としての形式なのだろう。

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コメント

>例の長管で吹けそうですか?
さすがに無理です。

投稿: ろめい | 2006/02/20 22:28

例の長管で吹けそうですか?

投稿: しんた | 2006/02/20 17:59

西園と対山の「三谷」について、以下の様に愚考し、表現したいと思っています。貴兄のコメント大変参考になりました。

西園の「三谷」は楔吹き、でまっすぐに吹き進むを本領とし、出だしは「ツーツレー、ハウーレーレー、ツ(メ)ローロー」と色をつけることなく、この旋律を序とし穏やかにに吹き進み、次に三谷の三谷たる「ツレーレツレローロー」を二回主張する。
対山流は「ツールー、ツレー、ツ(メ)レハウーウ、ツレーレツ(メ)ロロー」を序とし、次に「ツレーエツ(メ)レロロー」を繰り返していく。出だしの部分において、このような違いが有り、最初の雰囲気は全体の景色を決定付けてゆく。
対山の三谷は色付けが多彩であり、楽曲としての要素を感じてしまう。このことは、対山流明暗であることの特徴ではないかとも思う。また西園流を素にしてはいるが、やはり対山である所以ではないだろうか。

投稿: 幽崖 | 2006/02/15 01:00

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