« 偉そうなことを言っているがこんなもの | トップページ | 体調と尺八 »

2007/02/25

尺八を吹かない

 「息は吸うな、声は出すな」というのが私の声楽の師匠(?)に長年いわれていることである。
すなわち、息はきちんと吐くことができれば、息は自ずから入ってくる、声は身体の構造ができ、声を出せるフォームができれば息が動けば自ずから出る、吸おうと思う、声を出そうと思うと、余計なところに力が入る、というもの。
 尺八でも口先で吹きに行くと唇、顎当たりに力が入り、コントロールできなくなる、不安定になるから余計吹きに行くという悪循環に陥る。
尺八を「吹きに行かない」ことはなかなか勇気がいる。
フォームをきっちり守るということの大切さはわかるが、トラブルが起こったときにそれができるか。
あごもメリなどのときに尺八を押し込むことはするが、離すのはなかなか難しい。
唇には適当な緊張が必要である。どうやってそれを変えずに演奏し続けるか。
コントロールを遠い所でする。つまり唇のコントロールは口先でするにはいろいろな筋肉でできていて複雑すぎる。
むしろ唇をとりまくいろいろなものが渾然一体となっているということで全体の確かなイメージをもって制御していくというのがよいのではないかと思っている。
まだまだ、身体がそのように反応してくれないのと、長年染み付いた悪癖はなかなか抜けないのでなかなか思うようにいかない。

|

« 偉そうなことを言っているがこんなもの | トップページ | 体調と尺八 »

コメント

ペリーさん。
それってまるっと尺八とおんなじじゃないですか。

投稿: しんた | 2007/03/06 18:33

鳩尾の力を抜くというのは、とても厄介な問題ですね。
これには二つの方向からのアプローチがあると思うのです。

ひとつは、無理をして、鳩尾の力を抜かなくても良いのではないか、というもの。
何故、鳩尾の力を抜く必要があるかと言うと、力が入っていると、音色やフレーズの流れ、6/8などの表情がうまくいかないからだと思うのです。ならば、普段、常に、最善の注意をはらって、これらを改善していけば良いのです。普通は改善した段階に応じて鳩尾の力も抜けていくものだと思います。かりに、充分に抜けなかったとしても、歌唱に問題がなければ、それでも良いわけです。

もうひとつは、とにかく絶対に力を入れない。力が入った状態では意地でも歌わないというやり方。
低い音で、誰にも聞こえないような小さい声であれば、必ず鳩尾の力を抜いて発声できる筈です。ここから声を作っていく。
普通、鳩尾に力が入って歌うと、喉仏が低い位置で安定しなくて、声がつまって硬くなるか、怒鳴り声になるものです。これは、舌根に力が入ることによって、声が出口を見失っているのが通常です。
風呂につかりながらでもなんでも、とにかく鳩尾に力を入れないで、出る限りの最低音最弱音で、どこまでも舌根の力を抜く工夫を重ねていると、確実に抜けた、と分かる状態がある筈なのです。
そうなると、無理な息を使わなくても楽に声が出るので、鳩尾の緊張なんて霧散してしまうという寸法です。

言葉にすると簡単ですが、結局どこまで集中して自分を追い詰めていけるかということでしょうか。

静かなのでちょっと書いてみました。
まあ、こんな考えもあるかなあといったところです。

投稿: ペリー | 2007/03/06 15:06

しんたさん
ありがとうございました。
言葉で伝えるのは難しいですが、最後は身体が反応するか
ということなのかもしれません。

ペリーさん
興味深いサイト紹介頂きありがとう御座いました。
息は吸うな、はとても逆説的ないいかたですが
息を吸う、と意識した時点で初心の者は身体に力が入る、
特に鳩尾に力が集まってしまう、それをさけるという意味だと
理解しています。
我が師匠も言っています。「最初の息のとりかたがうまくできるようになればその後は「息を吸う」ということもいえるのだが・・」と。
身体に関することは言葉では難しいですね。
特に自分が充分にできていないことはなおさらです。

そういう意味でマイスタークラスの公開レッスンのような映像は非常によいですね。

投稿: ろめい | 2007/02/28 08:10

ろめいさん、you-tube は見られる環境でしょうか。

ベルガンサのマイスタークラス。

http://www.youtube.com/watch?v=lIbRinjMH7I&mode=related&search=
低音を押さない。
跳躍では響を上からきちんと狙って。
響を頬か上顎あたりで保つ(ジェスチャーで)。

http://www.youtube.com/watch?v=UZf5uSLoDDU
ここではメスケラ、顔面でということをジェスチャーで。

http://www.youtube.com/watch?v=PsHD-OntkG4&mode=related&search=
響を高く保たないと高音が出ないでしょ。

言葉の意味はぜんぜん分からないのですが、だいたいこんなことを言っているのでしょう。
バアサマになってもベルガンサはチャーミングです。

投稿: ペリー | 2007/02/27 20:37

 「息は吸うな、声は出すな」

ろめいさん。
これは結果を先取りした「荘子」のような文学的な表現ではないでしょうか。あるいは、よほど才能に恵まれた人の実感。

普通、近代イタリアに発生した声のテクニックというのは、どのような声をどうやって出すべきかということを追求するものであって、適切に息を吸って、たっぷりと声を出しながら余分な力を抜くトレーニングを通して、フォームを作りあげていくものではないでしょうか。

きちんと吐くことができれば、息は自ずから入ってくるという発想が私にはまったく理解できません。
緊張して息が上がる、浅くなる状況を回避するためには、息を適切に吸うトレーニングを積む以外に、私には考えられないのです。もっとも、そのトレーニングの一環として、息を吐くということが含まれる場合はあるかもしれませんが。

ところで、私も、歌の練習に血道をあげていた時期があるのですが、歌の呼吸と尺八の呼吸はまったくの別物だと思っています。
息の抵抗と、使う息の量が違うので、バランスが違ってくる。
これを言葉にするのは無理があるのですが、あえて言うなら、尺八の方が極端に重心が低くなる、というのが私の実感です。

投稿: ペリー | 2007/02/27 02:58

僕は最近次のように教えています。

まず唇を普通に閉じます。
その唇の幅を維持するように口角(唇左右の端)のみをチャックする。
唇まんなかは力を入れずに息をそっと出す。けして無理に息を押し出さない。
息穴は中心にくるのが望ましい。なぜなら上唇の先端を前後にコントロールすること(実際には下アゴが前後)により、甲乙やピッチコントロールが容易になるからである。

人中あたりに力が入ると、人によっては唇がゆがんで息穴が横にずれる場合がある。最初にその癖がつくと容易には治らない。上手なプロでもそういう人は多い。

投稿: しんた | 2007/02/27 00:50

しんたさん
>「唇は弛緩させよ」
「適当な」緊張が必要と書いています。
弛緩は必要ですが、緩みきっては駄目です。
緊張しすぎてコントロールされない状態ではありません。
息の出口を最適に保つにはコントロールが必要です。
そういう意味での「適度な緊張」というつもりでした。

私はそういう意味では緩めることというのが非常に重要なテーマです。

投稿: ろめい | 2007/02/26 23:59

>唇には適当な緊張が必要である

これには異論があります。僕の考えは「唇は弛緩させよ」です。唇といっても上下の唇の「息の出口」のところは弛緩していなければならない。要は上下の隙間が最適につくることさえ出来れば、他の部分は個人個人でつくりが違うので、それぞれ好きなようにすればいいと思う。
特に甲音を出すのに唇を緊張させすぎるのが一番いけません。

投稿: しんた | 2007/02/26 00:14

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30551/14002939

この記事へのトラックバック一覧です: 尺八を吹かない:

« 偉そうなことを言っているがこんなもの | トップページ | 体調と尺八 »