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2011/02/17

楽器と共に成長する

これから先は科学的に説明がつかないなんて人は読まなくていいです。

尺八吹きの誰もが感じる、そして誰もきちんと説明できないことが、
「よく吹いている尺八はよく鳴る」逆に「息を入れていない尺八は鳴らなくなる」
「新しい竹はよく吹いていると音が落ち着いてくる」
「よく吹き込むと鳴るようになる」
「下手な人が吹いていると鳴らなくなってくる」
などなど。

「尺八が物理的に変化するわけはないのだから、吹いている人の慣れだけだ。」という人もいるが、尺八を吹いている人の多くが実感として感じているのではないだろうか。
私は理屈はよくわからないが、とにかくそう感じることがあるのだから、その感覚には逆らえない。

今日、テグムの稽古で師匠が、
「テグムはたくさん吹いていると音ができてくる。弱い息で吹き続けると強い息では鳴らなくなってしまう。
自分の楽器も20年使っているが、10年目くらいまでは今のように息を受け付けなかった。
楽器が鳴るくせを覚えて鳴るようになる」
と言っていた。
ついでに「プラスチックのテグムでは楽器の成長はない」と。これも尺八吹きもよくいうことである。
私よりはるかに若いのに本当に同じようなことをいうものだ。
事実師匠の楽器は多くの息を入れると大きく鳴る楽器である。音量、表現の幅が非常に大きい。
「○○さんの楽器はまだまだ新しいくてたくさん吹いていないので十分に鳴るようになっていない。
自分の楽器の音を作ってください」

昔、パリサンダーのリコーダーを吹いていたときも実感として思ったし、みんな共通認識だった。

楽器が違っても同じような考え方があるということは、迷信なんかじゃない。
それが何かは気になるところだが、そんなことはどうでもいい。

一所懸命、楽器を成長させて、自分の音を作っていきたい。


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コメント

菊池さん
はじめまして。
いろいろな楽器で言われますね。
>尺八も振動や湿度などで繊維に変化が起きる
いやこれがね。変化が起きるくらい変わったらえらいことですからねえ。
新しい竹も漆が数年して落ち着くと音も落ち着くとかいいますが・・・

投稿: ろめい | 2011/03/06 22:12

はじめまして
民謡尺八を練習しています。子供の頃から少しバイオリンを弾いています。
バイオリンの場合で聞いた話です。弾かないと木の目が固くなって鳴らなくなると聞きました。天然の素材の竹でできている尺八も振動や湿度などで繊維に変化が起きるのでしょう。

投稿: 菊地紀明 | 2011/03/06 20:45

あるプロの尺八奏者が、身体に共鳴して音量が増し響くと云ってました。
狂言の野村萬斎さんが謡曲を語って、音カメラ(音メガネとも)で録音したのをモニター(NHKBS・ザ.スター)で見ましたが、身体全体から倍音が響き渡り足の骨格からも音が出ていました。
尺八もこの様な実験をしてもいいですね。

投稿: 虚韻 | 2011/02/20 10:46

湿度の話は実感としてもありますね。
適当な湿り気があるとなりやすい。
梅雨時は尺八吹きにとっては比較的よい季節です。(三弦にはよくない季節かも)

楽器を吹き込んで鳴ってくるというのはだれしも経験することだと思いますし、尺八だけが言っていることでもないと思います。
しかし、科学的にそんなことはありえない、非核実験をしてみてもそんなことはない、気のせいだ、といってしまう人もいて納得できません。誰かきちんと証明してくれないかなと思っています。
確かに竹の尺八はおろか、金管でも同じことが言われるということで、金管なんて、もの自体が何か変わるということはほとんど考えられないので科学的でないといわれるとそうかもしれませんが、説明できなくても演奏者の感覚というのはもっと大切にすべきと思っています。

投稿: ろめい | 2011/02/20 09:36

楽器の音の鳴りについては、おっしゃる様な事をよく経験しますね。
これは尺八のみならず、洋楽器でもあるようですよ。

私は、社会人のジャズバンドに所属していたことがありましたので、金管楽器にもこの様な摩訶不思議な事があることをしばしば見聞きしました。

トランペットを新しく買った人が、自分より上手く吹ける人に真新しい楽器を預けて吹いてもらう様なことをするのです。
息の抜けが悪い、鳴りが悪い等の理由からです。

私にも頼まれ、預かった経験があります。
友人が買った、手作りの銀製フルートを20日間程預かり吹いたことが。

高価なものにもかかわらず、はじめは音の伸びや、音量、甲乙あらゆる面で満足出来ず、値のはる失敗作とさえ思ったほどでした。

この様に厄介な楽器でしたから、初心者の友人が半べそかきながら持ってきたのは当然の事だったのかも知れません。

学校教材用の安物のフルートならばすぐ鳴るのに、何故でしょう?

件のフルートは1〜2週間ほど預かっているうちに、ギュンギュン音が鳴りだし、返したくない程良い音が出ました。

その後、友人にも音がなるようになったので喜んでくれました。

私だけが楽器に馴染んだのではなく、楽器が楽器に目覚めたとしか言いようが無い気がしました。

投稿: 00 | 2011/02/19 10:09

以前、善養寺師とのブログでの対話で、尺八が湿気を帯びると鳴ってくる事実がありました。
尺八は吹き込むと息の水分を徐々に吸って鳴って来ます。但し、管内に切手を貼り付けると鳴らなくなるのと同じ様に、吸う水分以上に唾気が付着すると鳴らなくなります。
梅雨時によく鳴るのもうなずけます。この様な事実も原因ではないでしょうか。

投稿: 虚韻 | 2011/02/19 06:25

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